【不妊治療の体験談】転院もあり!納得のいく治療を選択して自分の人生を歩む

WRITER 不妊治療ドットコム運営事務局
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これから不妊治療を始める方

「不妊治療について知りたい」
「不妊治療で成功した人の話が聞きたい」
「セカンドオピニオンってどうなんだろう」

本記事はこれから不妊治療を始める方にぜひ読んでいただきたい記事です。

本記事の内容

・不妊治療を始めるまでの経緯
・不妊原因について
・迷った治療選択
・顕微授精にて妊娠
・不妊治療を通して感じたこと

 

この記事を書いている私は、現在妊娠中の主婦ライターです。
前職は理学療法士として病院勤務していました。
パートタイムをしながら不妊治療をして、その傍らライターを始め、現在に至ります。
不妊治療では人工授精4回、採卵2回、体外受精1回、顕微授精1回を経験しました。
結婚4年目の顕微授精で第1子を授かり、近々臨月を迎えます。

今回は私の不妊治療体験をお話しします。

 

 

不妊治療を始めるまでの経緯

私は26歳で結婚しました。
幼い頃から母になることに憧れていて、「早く結婚したい」「早く子どもを産みたい」と思ってきた私にとって、比較的理想的な年齢でした。
生理は特に重たいと感じたことはなく、2日目に鎮痛薬を飲めば通常の生活ができる程度。
概ね28日周期、7日以内に終わるので、一般的には正常範囲でした。

年齢的にも生理の状況を考えても、健康を疑わず、避妊をやめればすんなりと子どもを授かると考えていました。

しかし1年経っても授かりませんでした。
「まだ1年」とも思ったのですが、不妊治療のクリニックで検査を受けてみることにしました。
私は医療職でしたし、夫の周囲には不妊治療経験者がいたので、夫婦ともに不妊治療のクリニックへ行くことに抵抗はありませんでした。
そのとき私は28歳になっていました。

 

不妊原因について

経腟エコーをして、私の子宮内膜症および卵巣のチョコレート嚢胞が発覚しました。
その時すでにチョコレート嚢胞は直径約8㎝(約4㎝が2つくっついている)で、手術を検討してもおかしくない大きさでした。
医師からは「手術するとどうしても卵も一緒に採れてしまうから今は勧めない。早く妊娠することが1番の治療だね」と言われました。
妊娠すれば子宮内膜症の進行を止められるので、一石二鳥といったところでした。

また血液検査の結果から、卵巣予備能の目安となるAMH(抗ミューラー管ホルモン)の値が低いこともわかりました。
41歳相当と説明され、とてもショックで泣いたのを覚えています。
AMHは卵巣の貯卵数ともいわれ、閉経が早いかもしれないとも言われました。
20代という年齢なのに、タイムリミットが近づいているのだと実感しました。

卵管造影検査では問題なく、卵管の詰まりはない様子でした。
しかし子宮内膜症は癒着を伴うこともあるので卵管の可動性まではわかりませんでした。

夫の精子に問題はなく、私の子宮内膜症が主な原因ということになりました。
子宮内膜症は生理が重たいイメージだったので、非常に驚きました。

 

迷った治療選択

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私は転院を1回しています。
チョコレート嚢胞をめぐる最初のクリニックの医師の見解に、疑問を覚えたからです。

私にとっては「できるだけ早く妊娠すること」が大切でした。
それは、AMHが低いためタイムリミットが迫っていることと、生理を繰り返すことでチョコレート嚢胞がどんどん大きくなり状態が悪くなっていくことからです。
夫婦で話し合い、タイミング法をせず人工授精を3回程度して、早々に体外受精へステップアップすることに決めました。

しかしクリニックで体外受精を希望したとき、「チョコレート嚢胞を切除しないと、採卵できない」と言われてしまったのです。

AMHが低い私にとって手術は恐怖でした。
病巣と一緒に卵も採れてしまい(ますます卵が減る)、手術後は卵巣機能が下がると聞いていたからです。
もちろん手術によって、逆に卵巣が元気になるかもしれないし、癒着がなくなって自然妊娠もありえるかもしれません。
ただそれは、どうなるかわかりません。
インターネットで調べてみると、手術をせずに中身を穿刺してから採卵する方法もあると知りました。
かなり悩む日々が続きました。
せっかく体外受精を決意したのに、話が進まなくて苦しかったです。

悩みに悩んだ末「他の医師の話をききたい」と思い、2つ目のクリニックを受診することにしました。
結果的に転院先となったそのクリニックは、卵巣機能の低下を危惧して手術はしない方針でした。
手術をしなくて良い、と聞いて安心したのを覚えています。
私は採卵を2回しましたが、1回目はチョコレート嚢胞を避けて、2回目はチョコレート嚢胞の中身を穿刺してから採卵しました。

子宮内膜症の重症度によっては、手術が最優先になることもあるでしょう。
癒着を剥がして自然妊娠を目指す方もいるでしょう。
私は自分の卵巣を傷つけずに済んだことに満足していますが、病巣は残ったままです。
何が自分にとってベストなのか、医師の見解をよく聞き、納得のいく治療をすることが大切だと思います。

 

顕微授精にて妊娠

私の経験した採卵は、2回とも「アンタゴニスト法」でした。
アンタゴニスト法は、生理開始2~3日目からホルモン注射で卵巣を刺激し、卵子をたくさん育てる方法です。
私はAMHが低かったので、卵子は採れても7~12個でした。
多い人は何十個も採れるそうです。

私たち夫婦の課題は、「胚盤胞到達率」でした。
胚盤胞は、受精卵が子宮着床寸前まで育った状態ですが、私たちの胚盤胞はせいぜい1~2個しか到達できなかったのです。

夫の精子は問題ないはずなので、私の卵子が悪いのだとずいぶん自分を責めました。
体外受精の結果が陰性だったとき、大げさに聞こえるかもしれませんが、離婚や自殺も頭をよぎったほどです。
たくさん卵子が採れて、胚盤胞到達率も良い人なら、1回の採卵で複数の胚盤胞を凍結でき、移植もたくさんできます。
しかし私たち夫婦の胚盤胞は1~2個なので、採卵回数=移植回数という状態。
常に採卵と移植がセットになるので経済的負担もありました。
1回の採卵と移植で約70万円かかりました。

結局妊娠できたのは顕微受精ですから、夫の精子に何らかの異常があったことも否定できません。
夫は夫で、年齢も離れているため、自分を責めていたかもしれません。
夫から責められたことは1回もなく、支え合って来られたのは救いでした。

顕微授精で妊娠した胚盤胞は、4bcというグレードで決して良いグレードではありませんでした。
もし今、採卵後の結果でグレードが悪く落ち込んでいる人がいたら、希望は捨てないでほしいです。

 

不妊治療を通じて感じたこと

不妊治療をしてきて感じたのは「他人と比べないこと」と「納得のいく選択をすること」の大切さです。

「他人と比べないこと」ですが、不妊治療の原因は本当に人それぞれで、通っている病院も違えば、暮らしている環境も違います。
不妊治療に限らず、「羨ましい対象」は人それぞれですよね。
他人と比べるのではなく、今の自分が「持っているもの」に注目してみると、少し気持ちが楽になるかもしれません。
私は子どものいないバージョンの夫との未来を考えられたとき、とても気持ちが楽になりました。
不妊治療に対して肩の力が抜けました。

「納得のいく選択をすること」ですが、私の場合はチョコレート嚢胞をどうしたら良いのか悩み、転院したのは正解でした。
1つしかない自分の身体です。
たくさん情報を集め、医師と話して治療方針を決めることで、後悔のない治療ができるのではないでしょうか。
治療への心配事や、医師との相性で悩んだら、セカンドオピニオンや転院も視野に入れてみることをおすすめします。

不妊治療は親からのプレッシャーや友人関係、職場での立場など、他人に振り回されがちです。
私も子持ちの友人との関わりや、職場に伝えるタイミングで悩みました。
義両親に会いたくないと思うこともありました。
本当につらいものです。
でも「自分の人生を歩んでいる」と思えたら、どうにか乗り越えられました。
自分の人生だからこそ、他人と比べる必要はないし、他人の要望に応え続ける必要もありません。
そして自分の納得のいく選択ができると気付きました。

これから不妊治療を始める方には、「自分の人生を満喫するための治療」だと捉え、前向きに取り組んでほしいです。

 

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